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カナダ国AB州でソーシャルワーカーしてます。 生活の一こま、カナダのニュースなど、 徒然に書き綴ってます。メールはこちら wasabisyouu@gmail.com
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こんにちは、山葵です。

1年ほどご無沙汰してましたが、わさびはまだ

エド市で元気にしてますよ。


今年の2月に、転職しました。

やっとこさ、念願の

"Mental Health Therapist"


要は、心理療法士。

クライアントは、軽症の鬱病から、重症のSchizophrenia (統合失調症ー昔は精神分裂症と呼ばれていた)。

いろいろなケースで、毎日毎日、楽しくやっております。

一応、Public Health Care、州の税金からお給料を頂いておりますので、

まだまだ未熟ものですが、責任を持って仕事をさせて頂いてまーす。

折々、いろいろなケースを紹介したいと思います。

今後とも、よろしくお願いしますします。

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またまた、Walk-in、アポ無しの患者さんお話。

40代半ば〜後半の、夫婦がクリニックにやってきた。

『自殺願望がある』というか、来クリニックの理由は、

『生きたくないけど、死にたくない』という奥さんが患者さん。

受付の人に、話メインにしたのは、旦那さんの方。



わたしに時間があったので、患者さんに話を聞くとにした。

インタビュー室に入って、『今日はどうされたのですか?』

といったとたん、嗚咽。

『生きるのに疲れた』

私、内心『厄介だな。』と思ってしまった。




ちょっと話を聞いて、症状などを聞いたが、

あまりにもdistress 、心痛していたので、3つ提案。でも、その女性は、どれも却下。

いすを立ち、帰ろうとしていた(もちろん泣きながら)



前回どうよう『これでウチに帰られて、自殺されてしまったら、ダメダメ』

すぐに、待合室で待っている旦那さんを呼んで、来てもらった。


なんとか、奥さんをなだめて、インタビューを続けた。

その間、旦那さんは、ハグしたり、キスしたり、手を握ったり、

『とってもサポーティブ(協力的)な旦那さんだな。』という印象を受けた。








でも、何か、おかしかった。旦那さんの動作や、仕草、なんとなく

『俺は、こんなにサポーティブだ』

と見せつけているような気がしてならなかった。チラチラ私を見ているのだ。

私が見ているのを確認して、ハグしているような気がした。








結論的に言うと、私は、旦那さんに、奥さんをERへ連れて行く事を押した。

hallucination(幻影)を見ると言い出したからだ。


30分程して、近場のERから電話があり、インタヴュー内容の記録をファックスしてほしいとの事。

コンピュータでチェックしたら、其の患者さんは、ERへ行ったようだった。









次の朝、もう一度チェックしたら、精神科病棟へ移されていた。

精神科医が書いたアセスメントを呼んで驚いた。




『去年11月、旦那の浮気が原因で、鬱の症状が出始めた』

それも、浮気相手は、彼女の同僚で、最近同じ課に配属され、毎日顔を合わせる事になり、

ますます悪化したようだ。







私『やっぱり!何か、あの旦那おかしい、と思っていたんだ』

そういう、小さなサインを見逃さないというか、洞察力、勘が、必要な職種なのです。

その奥さん、今も入院中。

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生まれて初めて、


救急車 


を呼んだ。



私や、私の家族のためではないですから、ご安心ください。


もちろん、私のクライアントさんです。



金曜日は、対外、決まって午後には、WALK-IN と言って、

アポ無しの患者さんが、よくこのクリニックにやってくる。


理由は様々であるが、、、

「薬が切れた、処方してくれ」、『精神科医に診断してもらいたい」

「Income supportの人に言われて(嫌々)きた
」などなど。



今日の患者さんは、

『自殺願望がある』

そして、手や足に、数々の自殺未遂の傷がある。


このケースが、一番大変。


一応、Suicidal intervention (自殺願望がある人に、なんとか思いとどまらせる)という、

クラスを取った事がある山葵だが、一言一言、気をつけて話をしないといけない。


一時間半くらい、いろいろ話をしたのだが(普段は30分以内で終わる)、結局、自殺願望は収まらず、、、


『いま、このインタヴュー室そして、このクリニックを去った後、自殺する可能性は確実にある!!』


という、私の Clinical Judgement(判断)で、私は、911 に電話し、

救急者を呼び、近くの病院に連れて言ってもらう事にした。


患者さんの目の前で電話し、救急隊のメンバーが来るのを待つ。

その間も、彼を一人にする事は出来ず、ずっと話をしていた。

15分程して、救急隊の人がクリニックに遣ってきて、いろいろ質問し、

近くの救急病院に連れていくという事が、決定された。

その後は、病院に任せる。


人間として、Health Care professional として、この対処は正しい。


が、私の心の中では、『この患者さんをこのままにして、私が彼の最後に話をした人』

という重荷を背負いたくないのが、本心である。

そして、彼がもし、自殺した場合、彼が最後に話をした私が、

何もしなかったというのは、ニュースになるのは間違いない。

私は当然、クビになるのは、間違いない。



金曜日の午後は、対外このような、波乱が待ち受けている。



結構ストレスフルな職種である。土日はしっかり休みたい。

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一ヶ月程前、Grand McEwan University でソーシャルワークを勉強していらっしゃる方と、初めましてのランチをしました。

ほんの一時間だったので、あんまりゆっくりお話が出来なかったけれど、

同じ、SWを志している方とお会いして、お話をすると、とっても刺激になって、

『がんばろー!』という気が湧いてきます。



お話の中で、質問にあったのは、

『Psychiatry (精神科)とメンタルヘルス(特にSW)は、どう違うのか、SWはどういう位置にあるのか』


簡単に言えば、色んなヘルスケアのプロフェッショナルの一員。


Mental Health というは、大まかに言って、精神科を含むヘルスケアサービス。

Health Care Professional と呼ばれる職種は、医者、看護師、物理(理学)療法(Physio)、作業療法(occupational therapy)、SW、がチームとなって、様々な面から患者をサポートする。

いろんなケアの、一握りであるという事。


だから、ソーシャルワーカーであっても、セラピーをするのである(もちろん免許が必要)

セラピー/カウンセリングは、サイコロジストだけの職種じゃなくて、

ウチのクリニックには、精神科の看護師、OT(occupational therapist)、ソーシャルワーカー、サイコロジストが肩を並べて、セラピーをするのである。


よく患者さんに言う事は、精神科にかかるだけでは、メンタルの方はよくはならない。

『Pills and Skills』


ピル、薬は、精神科医が出してくれるが、スキル(鬱になった時、どうやってたいしょするか)は、セラピストから学ぶのである。

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とある仕事中の出来事。

ウチのクリニックでは、時々、アポ無しの患者さんがやってくる。

もちろん、このクリニックは予約制なのだが、患者さんが待つ気があれば、

セラピストの誰かが、何の用か話を聞くことになる。


先日、86歳のおじいさん、やせ細り、ひげも、サンタのように白いヒゲと髪の毛が、

無造作に生えている。着るものもホームレスのような服を着て、荷物をいっぱい持っていて、

おぼつかない足取りであった。

ちょうど私が時間があったので、このクリニックにどんな用があるか、聞く事にした。



聞くと、おじいさん、50年以上前に養子に出した息子を捜しているという事。

その息子の、親戚(または知り合い)がこのクリニックで働いていると言う事を

聞いて、やってきたそうだ。

息子の名前も、ちゃんと覚えている。

その知り合いの人に、息子の本当の母親がどんな人だったのか、伝えたい。

というのだ。

フロントの人が、言うには、その人は、14年前に引退していて、

もうこのクリニックにはいないらしい。


プライバシーも絡んで、私にはどうする事も出来ない。と伝えた。

Children's Servicesにも聞いてみたそうだ。

あまりにもやせこけていたので、フロントの人も、私も心配になって、

シニア向けのソーシャルワークサービスがある所を教えた。

でも、もう既に行ってきたそうだ。

ちょっと後ろ髪引かれるような思い出、エレベータに乗る姿を見送って、

オフィスに向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日後、フロントから電話があり、

フロントの人が、その彼が言っていた知り合いに電話をしたのだそうだ。

そうしたら、そのおじいさんが言っていた事は、


すべて、幻想


という事だった。




ラッセル、クロウの、Beautiful Mindを見た人はお分かりになると思うが、

現実と幻想の区別がつかない精神の病気がある。


果たして、あのおじいさんは、今日も、存在しない息子さんを探し、

さまよい続けているのだろうか。。


本当に悲しく、切なくなった。




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