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カナダ国AB州でソーシャルワーカーしてます。 生活の一こま、カナダのニュースなど、 徒然に書き綴ってます。メールはこちら wasabisyouu@gmail.com
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またまた、Walk-in、アポ無しの患者さんお話。

40代半ば〜後半の、夫婦がクリニックにやってきた。

『自殺願望がある』というか、来クリニックの理由は、

『生きたくないけど、死にたくない』という奥さんが患者さん。

受付の人に、話メインにしたのは、旦那さんの方。



わたしに時間があったので、患者さんに話を聞くとにした。

インタビュー室に入って、『今日はどうされたのですか?』

といったとたん、嗚咽。

『生きるのに疲れた』

私、内心『厄介だな。』と思ってしまった。




ちょっと話を聞いて、症状などを聞いたが、

あまりにもdistress 、心痛していたので、3つ提案。でも、その女性は、どれも却下。

いすを立ち、帰ろうとしていた(もちろん泣きながら)



前回どうよう『これでウチに帰られて、自殺されてしまったら、ダメダメ』

すぐに、待合室で待っている旦那さんを呼んで、来てもらった。


なんとか、奥さんをなだめて、インタビューを続けた。

その間、旦那さんは、ハグしたり、キスしたり、手を握ったり、

『とってもサポーティブ(協力的)な旦那さんだな。』という印象を受けた。








でも、何か、おかしかった。旦那さんの動作や、仕草、なんとなく

『俺は、こんなにサポーティブだ』

と見せつけているような気がしてならなかった。チラチラ私を見ているのだ。

私が見ているのを確認して、ハグしているような気がした。








結論的に言うと、私は、旦那さんに、奥さんをERへ連れて行く事を押した。

hallucination(幻影)を見ると言い出したからだ。


30分程して、近場のERから電話があり、インタヴュー内容の記録をファックスしてほしいとの事。

コンピュータでチェックしたら、其の患者さんは、ERへ行ったようだった。









次の朝、もう一度チェックしたら、精神科病棟へ移されていた。

精神科医が書いたアセスメントを呼んで驚いた。




『去年11月、旦那の浮気が原因で、鬱の症状が出始めた』

それも、浮気相手は、彼女の同僚で、最近同じ課に配属され、毎日顔を合わせる事になり、

ますます悪化したようだ。







私『やっぱり!何か、あの旦那おかしい、と思っていたんだ』

そういう、小さなサインを見逃さないというか、洞察力、勘が、必要な職種なのです。

その奥さん、今も入院中。

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